総会報告

2019年度青雲会総会報告

2019年7月20日(土)午前10:30開会
10:30-11:15 総会議事
11:20-12:20 講演
12:30-14:30 懇親パーティー

場 所     大閤園  「ゴールデンホール」

講 演     テーマ 「A.I. ロボットと法律について」

         講師  弁護士 小林 正啓 氏

平成31年度の青雲会総会は、ご来賓の池田辰夫誉教授、平田健治名誉教授、三成賢次副学長、中山竜一法学部長、松野明久国際公共政策学科長、水谷規男高等司法研究科長ほか多数現職教員の先生がたのご臨席のもと、総数82名の皆様のご出席をいただき、盛会裡のうちに終了しました。

1 総会議事

(1) 会長挨拶・・・会長 片岡 和行

(2) 来賓祝辞・・・名誉会長 中山 竜一(法学部長)

(3) 2018年度決算報告・・・前会長 内藤欣也

(4) 会計監査結果報告・・・事務局長 西尾光代

(5) 2019年度予算報告・・・会長 片岡 和行

(6) 新幹事選任・・・会長 片岡 和行

(7) 新年度役員紹介・・・会長 片岡 和行

(8) 大学からの報告・・・学内幹事 松本和彦

(3)〜(6)について、ご出席の皆さまのご承認を得ました。

2 講演

弁護士 小林 正啓 氏より、「A.I. ロボットと法律について」と題して講演をいただきました。

AI(人工知能)については、近時、マスコミを広く賑わしている問題であり、今後社会に及ぼす影響は日増しに大きくなっていくものと予測されます。今回、ロボット法学に詳しい弁護士として著名な大阪弁護士会の小林正啓氏に講演をお願いしたところ、快く引き受けてくださいました。小林講師は、一般民事事件とともに、ヒューマノイドロボットの安全性の問題、ネットワークロボットや防犯カメラ・監視カメラとプライバシー権との調整問題に取り組まれています。「アンドロイドの法律問題」「自動運転自動車の自己と責任」「A.I.は人間から仕事を奪うか?」「A.I.による未来予測」「なぜ法律がA.I.やロボットに関わるのか?」といったタイムリーなテーマについて、わかりやすく問題点を解きほぐしながらお話しいただきました。受講者のメモの一部を紹介します。[ ロボットやAIが社会全般に受け入れられていくために、法制度もあわせて検証する必要がある。ロボやAIに対する期待は大きいが、いざ事故が起きたときの社会的影響は?ドライバーレスの完全自動運転車が人身事故を起こした場合、誰に対して刑事責任を問うことになるのか。

完全自動運転車の法的問題を検討する際に、議論すべきテーマとしてしばしば登場するのが「トロッコ問題」だ。制御出来ないトロッコの先に五人が横たわっている。このまま進むか?分岐スイッチを使って一人が転がっている引っ込み線に退避すべきか?

トロッコ問題は、五人か一人かという思考実験のように見えるけれど、自動運転車の法論議の観点で言えば、法規制の大前提となる哲学の問題であり、優先すべきは何かという問題だ。新たな法制度を作るには、その前提となる倫理や哲学を共有しなければならない。自動運転車向けの法規制を考えるには、その前提となる哲学が必要になる。それは「いかなる価値を優先すべきか」という倫理の問題にほかならない。]

なぜ法律がA.I.やロボットに関わるのか、というテーマについては、法律家が技術者に求められているという実務的な面もある一方で、法律家がいままで信じて来た様々なこと(理論、定義、解釈など)が技術によって挑戦を受け変容を迫られているという側面もあるとの説明がありました。大学で法律を学んだ私たちとしては小林先生のお話には大いに考えさせられ、大学の法学部の役割がますます大きくなっているのだということを再認識した、あっという間の60分でした。

3 懇親パーティー

第1部・第2部に続いて、懇親パーティも菅聡一郎副会長(40期)が司会を担当。講演の小林先生にもご出席いただきました。三成賢次副学長(28期)にご挨拶いただいた後、副学長の音頭で高らかに・・・「乾杯!」。パーティーが始まりました。

最初に、現役学生の皆さんを中心に若手の参加者9名が登壇し、一言ずつご挨拶をいただきました。若いエネルギーに圧倒される思いでした。
次いで、東京支部長西畑一哉氏(27期)及び名古屋支部長中嶋利幸氏(19期)からそれぞれ両支部の活動報告が行われました。その後、2018年度の青雲懸賞論文受賞者紹介が行われました。総会に出席いただいた4名の皆さんから、受賞のご挨拶をいただきました。
また、今年で卒業後20年、30年、40年、60年を迎えられた会員のうち4名にご登壇願い、それぞれ周年を迎えてのご挨拶をいただきました。
後半は、「地名・駅名BINGO」ゲーム。お米・ワイン・各種阪大グッズなど・・・教職員・ご参加の皆さんからご寄附を含め様々な景品が用意されました。第1部から涼しげな夏の和服に身を包んだ菅副会長が軽快に司会進行、やはり今年も49期の石黒陽子幹事がしっかりアシスタントを務めました。ビンゴの当選者は演壇で一言ずつご挨拶、結局出席者のほとんどの人が景品を獲得しました。「当たった!」の歓声で盛り上がったBINGOゲームとなりました。
滞りなく進行して、盛会のうちに、山本茂伸副会長(22期)による中締めとなり、吉例の大阪締めを披露してお開きとなりました。
ご出席の皆様にはどうも有難うございました。また、今回ご都合によりお越しいただけなかった皆様には、来年度総会でぜひお目にかかりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

文:松井繁幸(23期)

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